プロジェクトについて
寺町京極商店街は京都の中心、寺町通りの三条から四条に位置し、年間約3500万人もの人が行き交う大きな商店街です。
様々なジャンルの200近くのお店は、歴史あるお店もあれば流行の新しいお店もあり、幅広い年齢層のお客様が地元京都のみならず関西各地、さらに国内外からも訪れます。
賑わいのある商店街ではありますが、緊急事態宣言の影響は大きく、寺町京極商店街も厳しい状況が続きました。しかし、その渦中だったからこそ気づけたことがありました。オンライン上でほとんどのことが出来る今でも、実際に接することがどれほど大きな意味を持つかということです。画面越しに話すことと実際に会って話すこと、画面を眺めながらするショッピングと、お店に並んだ商品を見ながらするショッピングは違います。なぜなら同じ時、同じ場所にはいないからです。その時にその場所にいたからこそ、出会えるものがあるのです。そのことは私たちにとって、寺町京極商店街はかけがえのない場所だということをあらためて教えてくれました。
また、温かい励ましの声に、お客様もこの商店街を大切に思ってくださっていることを、たくさん実感させていただきました。少しずつ増えていく人通りにほっとしながら、「もっとお客様にも商店街のお店にも喜んでもらえる、より魅力的な商店街になりたい」ということを、これまで以上に考えるようになりました。
商店街として抱える問題、地域として抱える問題と向き合い、また寺町京極商店街だからこそ出来ることを見つめ直した時に、チャレンジしてみよう!と決意したことが「アートを飾る」ということでした。立ち止まっていた間に気がつけた「本物って美しい」ということや、巨大提灯プロジェクトで感じた「想いの込められたものから伝わるものが確かにある」ということが、道を示してくれました。心を震わせ、感情を動かすことは行動へと繋がっていきます。美しい世界の一部、想いの込められたものを、アートという唯一無二のかたちにして寺町京極商店街でたくさんの方に見てもらいたい!24時間365日誰でも好きな時に自由に見てもらいたい!と、やってみたいことが次から次へと溢れ出てきました。
新しいチャレンジで商店街がさらに賑わえば、寺町京極商店街だけでなくその周りにも、賑わいの輪が広がっていきます。そして同時に、アートを通じた出会いも広がっていくでしょう。 寺町京極商店街だけが元気でも、それは100点満点ではありません。地域全体が元気であってこそ、寺町京極商店街も元気でいられるはずです。そして地域全体が元気であれば、その元気が寺町京極商店街へまた循環するでしょうし、さらにもっともっと大きな場所へとその力が広がっていくはずです。
寺町京極商店街という1本の線から、放射線状に広がっていくたくさんの可能性を描いていきたい。寺町三条から四条の550mからまずスタートです。描きはじめた線の行方を一緒に見守ってください。