ご挨拶

雪舟が描いた山河、葛飾北斎や歌川広重が描いた街道や名所。 その一枚一枚は、美しい景色を記録しただけではありません。その土地の空気や季節、人々の営みを映し出し、時代を越えて「訪れてみたい」という憧れを育ててきました。やがて絵に描かれた風景は名所となり、多くの人々を迎え入れながら、その土地の記憶として受け継がれています。 時代は令和へと移り、その役割を担う存在も少しずつ変わりました。 いま、日本の風景を世界へ届けているのは、SNS、とりわけInstagramで活動する写真家やフォトグラファーたちかもしれません。 彼らがレンズを向けるのは、清水寺や金閣寺といった誰もが知る名所だけではありません。ふと曲がった先の石畳の路地、静かに苔が息づく小さな寺院、朝の光が差し込む神社の境内——。観光ガイドにはまだ大きく載っていない場所にも、美しさを見出し、新しい京都の魅力として発信し続けています。 そうして一枚ずつ積み重ねられた写真は、現代に生きる私たちが紡ぐ新たな風景の記録。 もしかすると、それらは「令和の京都百景」と呼べるものなのかもしれません。